- 朝、10時半くらいにデニーズにいった。きれいなデニーズ。小さいころ、連れてってもらってうれしい場所デニーズ。券をとって順番待ちをする。6番である、2番が呼ばれている、いないようで3番、自分が券をとる直前も男女が券をとった直後、5番ということである、同フロアにある100円ショップにでも行こうか、と言って入口を離れた、3番はいた、入っていき、もうすぐに4番が呼ばれ、4番もいない、5番は僕は「いない」ことをわかっているが、係員は知らない。すぐに6番である。入れた。思ってたよりも10分の1の待ち時間だった。しかし、なんとなく待たない気もしていた気もする。
- その前にはペットショップにも行った。ケースの中にいる子犬、成犬は売られていない、子犬が扉の僅かな隙間に鼻先を突っ込んでこちらの臭いをかいでくる、足元の方を見ている、足は強くにおうのかやはり。目が合う、というのはほとんど会話である。目を合わせないように努めるおばさんは、夕方の散歩、サンダルでぽてぽて歩く健やかで軽い気分を地面に留まらせる。
- 100円ショップで買ったバドミントンで、公園でバトミントンをする、サンダルなので機動性がなくすぐにやめた。意外とできるし、楽しい、わきの下が良く伸びる。
- 公園で寝ながら『無敵のソクラテス』。はだしになって。いろいろな極小の虫が頭からバッグまで、なんでも行き来している気がする。ソクラテスとその妻であるクサンチッペと、フェミニストが性について討論をする。美女コンテストの話。
- 久々にプールに行った。休日は混んでいるイメージだったが、たぶんみんなそう思っているから、平日となんら変わらない混みよう。最近は泳ぐのと同じくらい水中で歩いている。いろいろな型をつくる、横にスライドしたり肩甲骨をよせながら歩いたり、スライドする際に手を拳法のように左右に交差して、効率的に水をかく。あといつも通り半手、右手だけのバタフライ、これはほんとに飛ぶのでストレスが飛ぶ、動物のようなしなる身体、もっとうねりを…!とか思う。
- 近くの店で今日久々に会う(と思っていた)人への手土産としてバターサンドを買う。いつもここの店員さんはかなり間に合っていない。注文のタイミングも読めない。バイトになってサクサクさばいてあげたい。しゃばい笑顔で。
- 新宿南口から長いスロープを初めて降りてほとんど三丁目まで行くルート、初めて降りた、こういう道は大好き。悠々とする、その前のあそこ、人が多いとこ、よくパフォーマンスしているとこで、ゆずのような二人組がやっていたり、ちょっと太めのセンターの男を含む三人組ダンスユニットもいたが、二人組のギターユニットはなかなかの人だかり、おばさんが小気味よく身体を揺らす、半身はオーディエンス側に向いていて、曲を知っているのだろうな、ハモリのほうの男子に張り付いた満面の笑みが本日の新宿をあらわしている。
- 店に着く、最近はマスクをしているので、一人でいるときに街を歩くときは小さい声で話しながら歩いている、「センスよ…」とか「おいおい」とかそんくらいあとは口笛も吹く、どんな風に知らない人からしたら感じられるのだろうか。店は6階、エレベーターホールで地下に向かう家族、ベビーカー、夫は俺が来たのを見て確認し、素振りの素振りを始める、このすぶりのそぶり、ある種の人間に特有の、間の持たせ方であったり、独特の恥じらいの埋め合わせのようなものだな。そして6階に着き入口にいた店員さんに予約の名前を告げると、ないみたいですね…と、確認すると、結局はその予定は来週だったのだった。
- 瞬間顔は真っ赤っかになり、余裕ぶって到着したのに汗だくになっている、伊勢丹、ウーマンなど行こうかとそれぞれ一瞬間ずつ迷うがもちろんいかない。
- 帰りの電車で、優先席に座っていると、前にベビーカーを持った家族、夫は連結部の扉前に立つ感じ、しばらくして連結部の扉をみる夫、小学生くらいの子どもが移動してきたようだ、夫はさっと身体をよけ、子どもを通してあげる、子どもは歩いて、立ち止まり、振り向いて、夫をしっかりと見上げ「ありがとうございます。」と、言った。夫はうなづく。俺は笑いがこぼれた。座っている妻も笑う。とても良いと思った。普通のボリュームで子どもっぽくない声だった。大人でも子どもでも関係ない。昨日やばおばさんに電車内で手を叩かれたのもあり、救われる思い。ちゃんとコミュニケーションしよ。
月: 2022年5月
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2022/05/28
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夢中Womboに
昨晩は2時まで眠くならず、山下翔の『温泉』を引き続き読んでいて、突然、あ眠い、とくる、こんなん一生やってくんだろうなと夜は思うが、朝起きたらそんなことは忘れて、なんかそういうのもいいよね、くらいになる。人間は死を意思することはできないらしい、と池田晶子が書いていた。
ほんで朝起きてトーチで漫画読もうかなと思ったけど、腹減ったので6枚切り二枚使って、ベーコンととろけるチーズを焼いて、クレイジーソルト(レモン)とブラックペッパーをかけて食べた。目玉焼きも。水でゆでるような目玉焼き。味はつけない、卵を食う料理だ。
テストは終わりが近い。あと大問1問という感覚だ。早く終えて、全てをゴミ箱に放り込みたい、私はそうして今まで成長を続けてきたのだから、最近読んでいる『君たちはしかし再び来い』(山下澄人・著)がほんとうによいのだけど、「わたしの使い方が最近難しくなっている」というような表現が、ぐっと気に入ったのでこれをタイトルに短歌を詠んでみたい。
仕事をしながらスポッティファイ。とりあえず、Colaの新譜『Deep in View』が開放されていたので聴く。コーラというバンド、もともとはOughtというバンド、コーラと読む。バリバリ切り貼りする音楽のCOLAもいたよなと思うが、もはや…
このバンドのレコード欲しいなと思いレーベルを調べると、Fire Talk Recordsだ、アーティストを観ると最近好きなバンドが多く所属しているみたいで、インディーロックの復活を狙っているレーベルだ、センスがいい!これを調べている自分もセンスがいい!あんま知らないバンドを知っていたい!いつだってそうありたい、それはもう、きっといつまでも、そうありたい、そんなこと願ってはいない正確には、山下澄人の文体を真似ている 文体などは二の次に
正確であらねばならない、生きているうちは正確に自分の意識下にコントロールを行き届かせ、頭の白髪から足指の爪の汚れまで、全てを意識できていないと、それを言葉にできていないと生きている実感は得られない、そして、仕事だ。誰よりも熱い思いで、クライアントに最大のバリューを、提供していなければ生きている、とは言えないはずである。こんなことは本当に思っていたりする意外にも、その証拠として、同僚からは大堀君は仕事に真面目だよね、と言われる。そうなのだ。
そして、Wombo、ヲンボであるな。この曲が好きだった、知っていたので、すぐに目に入った。なんかとてもよくないか?
新譜がでる、その中の先行曲、バックフリップ。これはレーベルが造ったであろう映像。センスがいい。コメントをしている。
そして配信映像、ベースボーカルの女性、ギターの古着男性、ドラムスのひげ、全てが最高といえる。この当時の新曲、カメラ目線、夢中である。レコードを買いました。
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感情と暴力
ネタバレについては全く気にしたことがない、そもそも「ネタの漸次的暴露」として作品をみていないから。ネタは種、つまりコア、エッセンスであるだろう。その意味で一言化、スローガン化ともいえる。一言による抽象化は私にとっては本来の意味での抽象化としては感じられない。一言の感想、つまりは、「感動した」「絶対いいからとにかく見て」「最高!」「泣いたわ」「見ればわかる」「見ないと損」「3分でわかる」「わかった」「とっても理解した」「誰よりも理解した」「わからない」「説明してほしい」「説明を要求する」「わからないことがわかるまで説明するまで絶対に離さない」
決して、言いたいことを真正面切って、忙しい現代人同士お互いのスケジュールや気分をおもんぱかりつつも、「ここはあえて伝えさせていただきたい」、言いたいことを真正面切って、あるいは喫煙所での”タバコミュニケーション”によって伝える必要はなく、菊畑でも回遊しながら、フルートでも吹きながら、ほとんど独り言のようにつぶやき続ければいいのだ。相手に聞こえない声が一番、もし聞こえてたら、わかってくれたらただただ嬉しいと思う。
暴力について、友達が「『メイドの手帖』を観て、身体的な暴力だけが暴力ではないことに改めて気づいた。」という趣旨の話をしたときに、「ああ、モノを投げる、とかね。」と間抜けた返答をしてしまったが、暴力とはそもそも、と思い語源を調べてみた、
- 『日本語源広辞典 増補版』(増井金典著 ミネルヴァ書房 2012)「暴力」の項の説明では、「中国語で、「暴(乱暴)+力」が語源」とあり、「violence」には言及していない。『明治のことば辞典』(惣郷正明,飛田良文編 東京堂出版 1986)「暴力」の項なし。「暴動」はあるが、項中に「violence」はない。
とあるように、英語の”VIOLENCE”との関連は薄く、「肉体の力を四方八方に発動し暴れる」というフィジカルなイメージの強い言葉である。”VIOLENCE”の語源として面白かったのが、印欧語源だ。
- 精力的に強い願望で何かを求めること。 また強さや力を意味する名詞形の語根。violentなどの由来として、力で対処すること。印欧語根wī̆-ro-に関係。(To go after something, pursue with vigor, desire, with nown forms meaning force, power.)
この印欧語根wī̆-ro-の派生元”weiə-”もみるとわかるように、「激しい内面の欲求を誇示する」こと、gain,world,Man,invite,violate(werewolfまで!)も同じ語源である。おそらく「魅力的に力強く惹きつけて金稼ぐからあまねく犯せる世界を制覇できる」というような意味を持つ言葉の「響き」であるだろう。マジックなワードである。魔術的である。ハッキリ言って気持ちが悪い。
ということで、暴力という言葉には、バイオレンスへと立ち返るにしても、どこかその悪性を「やんちゃな魅力」のなかに混ぜて、なかったことにする力がどうもありそうだ、と考えたのだ。
暴力という名詞ではなく、この気持ち悪さを精緻化する言葉が欲しいとき、私には「感動」がこれにあたるのではないかと思える。外的な影響によって心が動いたとき、その結果の善悪が重要であるが、外的な影響を発する側(これがほとんど私たちの生活すべてである)に必要な姿勢として、「感動」を強いていないか?という内的な自動反省だ。
誰かの心を動かしすぎていないか?殴らなければ、何をしてもいいのか?
SNSには暴力と告知とくだらなさと美しさに溢れているから、やめた。
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まだともう
もう光らないネオンサインが陽を浴びるどこに出しても恥ずかしくない
重ねたり何度振ろうが内容は混ざり合わないけど燃える本
ほんとうに欲しいものだけ手に入れた背中ばかりが遺されていく
水の目に映った首のやわらかい筋 見て私 ため息少し
感じ取りあ、とかおおとか言いながら集まり、だよね、と確認してる
角が取れ丸みを帯びて毛羽立ってくるりと尻尾を丸める年齢
今日という今日の最後に聴く曲が『揚げたて唐揚げ』でもいい気もする
薄紅が充電されて上がりつつ単独の鳥、焦らなくていい
霊感のようなあらゆる考えが駆ける自由は制約のよう
ただ歩いているだけなのに鳩は逃げ車は道を譲ってくれる
未だ「わたし」と切り落とされず笑ってる子どもと犬は訳なく笑う
五年振りに点灯したマジック、長いまつ毛の頬が火照って
鳥たちのサンクチュアリを背に負ってスモーキンする老カウボーイ
凪の屋上、泣く君のためなす術もなく凧揚げて風を起こそう
彼は胸に刻んだその詩の最後だけ歪ませ青へペダルを踏割る
予想された爆発は起きなかったが陶磁器の羽の欠片を拾う
もらった物、全て生きてる内になくしてしまう人が確かに居た
大写しされてもサンドワームには未だ音しか感覚できず
混んでいる待合室に入るなり「賑やかだな」と言った五歳児
眠い目にやさしい朝の川に映る世界の街の家の抽象
駅前のコンビニの前に「無」があって改札通るまでに忘れる
すれ違う目を伏せた女性の悩みがすっとわかる気がしただけ
蕎麦を食いながら何かを呟いてる宇宙と同じくらい「知らない」
いつの間にか降り出した雨か、魚の息か、どちらかどれほど見てもしらない
ゆくゆくは夏には麻の冬は綿のふくろを被るだけになりたい
イベントでどんな顔して過ごすのが正解なのかわかる日が来る
一本五百円もする一本の水を首筋に当て体温下げる
玄関に積み上げられた古タイヤどこにもいけず子供が泣いてる
意味という言葉が意味を持っていないことに気づいた煙草が旨い
「答え」なく正面玄関で待ち合わせお辞儀を重ねて家に帰ろう
夢なんていつもみられる水の月ではどこにでも座っていられる
むせかえるほどの寓話とサウダージ 判決を待つ鳥が鳴いてる
公園に尻の根つけてストレッチするまだ何も起こりはしない
感覚は別段特に迸らず、ゆけゆるやかなポジティビティー
もう1ミリも急がないぞと急に誓う表参道のB5近くで
全ての叡智のようなオレンジ色をしてマックスマーラのベージュ拡がる
あの変なマジック帽をかぶる人は今日の月蝕をみたのだろうか
長袖でタトゥー隠して沖縄のソバの作り方を学びつつある
前の席の貧乏揺するおじさんを兵士の中に立たせてみたり
喫茶店にしては長すぎるドラムソロが終わってピアノが戻る
焼けて焦げたこのにおいだけを持っていければただそれで全うしたと
寝惚けてる雀のまあるい額をね撫でるとしたら右の小指か
たった二両の山手線が原宿に到着したら笑うだろうな
HOLYとHOLISTICは同じこと誰が為何故鐘は鳴るのか
パーマとPERMANENT は同じことアフロディーテを求めてのこと
朝ぼらけ虹を見ている人たちの背中にぼんやり浮かび上がる虹
朝ぼらけ「もっとみんな」と呼びかける霜柱溶けパーマ上がりつ
一つ一つ臓器がみんな縦に並ぶシステマティックな快感を得る
私の首よラナンキュラスの弛みの分だけもう少し水を通して
大切な引越しの日に植物を買って待ってることができるよ
腹巻をネックウォーマーに見做すとき見えない場所が光を鳴らす
四分の三が同じの彼の名をボタンを縫うかのように摘んだ
決断も突き詰めもせず息継ぎの仕方も知らずに皮膚で歩まん
さようなら何度目の冬、動けるか。動いているか君の迷惑
金輪際正しさとアドバイスなどくれてくれるな透明の君
買ったことない金魚鉢を胸元で質感重みありありと持つ
汗だくのワンピースほど近づいて駅のベンチで寝起きのよいこと
投げ縄のツールで描いたような街眉間の皺を見開き伸ばす
タンカーに乗っていたというおじさんと海沿いの風呂で遠い線観る
たった今私の瞼を裏返し風は私をここに置き去り
金を忘れ金を捨て去る最善の方法はただ金稼ぎにあり
この空気で話をふられたとしても子供の頃の話はできるが
雄弁か寡黙か私の内分泌外に出るたび涙とされる
咲くことをしない蕾にある美学自重に首をへし折るまでの
泡を立て肌の間で滑らせてお湯で流したあとは知らない
オジサンに肩を抱かれて指さされ「何だと思う、猛禽だよ」と
冴え渡る、意識に任せて三叉路の右を選べば焼き鳥の店
アナログな欲望によるデジタルな制圧を突くたった一点
発表の場所を待たれぬ創作の素振りのたびの蜂蜜の風
花を買い手に持ち帰る誇らしい気持ちに彼もあるのだろうか
これほどにまっさらになるはずはなかった誰のためにもならないほどに
どれもこれも扉の方から開いてくる難しいことなんていらない
取りこぼしなく誰ひとり置き去りにせずペテン師の顔を浮かべて
どこにでも向かう必要なんてなく身体のすぐそこ体の温流
水筒を持ち歩く人のパーソナルスペースはただ蛸壺のよう
車中泊する人と犬、朝になる「禁止されてる」とただ告げられる
わたしにも幾つかわけのあるように彼も彼女も事情があって
居酒屋のキレイキレイが水増して何度押そうがとりとめもない
誰からも祝福される恋愛は、今はまだしもいつになるのか