太田さんとのつながりの始まりは、太田さんのお兄さんがやっているPrank Weird Storeというお店がまだ新代田駅近くにあった時、なんとなく入って、お兄さんと色々と話した。その時は落ち葉を踏む音を加工した音源を使ったレコード、これがジャケがハンドペイントでかっこよく、絵の具の匂いがしたりして、かなりいい。お兄さんは初めましての僕にもかなり優しく、色々と話した。その日は確か水谷さんと樺山と新しくレゲエバンドをやろうという集まりをLFRでなんとなく話そうと、あきさとも店員でいるし、と新代田に行ったのだった。そこでお兄さんとレゲエバンド始めるんですよ、と話すと、いいなあレゲエ、最高じゃん、がんばってね、などと言ってくれた。そして弟は小説家で、そこのビデオと小説がパッケージされたのも弟のやっている活動、など。面白そう。
その後、『ののの』を読んだり、太田さんのODD ZINE展Vol6の一般公募枠にすぐ応募して、連絡して、音楽を作ることになった。その時は、短い小説とSON OF ODDという曲を提供した。お兄さんと展示で再会して、お兄さんもなんかこの関係性の連続をとても喜んでくれて、僕はとても嬉しかった。本当に嬉しい、僕はこういう関係性がとても嬉しい。お兄さんのまた別の職場、そこで施設の方と一緒にやっているハードコアバンドの話。太田さんによる、あいうえお占い。僕はキンタマ野郎だった、バカパワフル。
そしてまた、新しい展示の音楽を頼んでくれた太田さん。やらせていただく。今回は動物がテーマであった。サクリファイス・アニマルズというタイトルは動物の犠牲、食品となる動物、とかそういう悲しみを知れという話ではなく、人間、働く人間、働かざるを得ない人間、社会的人間にならざるを得ない動物としての人間、である。誰も彼も金を稼ぎたいわけではない、楽しくやっていたいのに、みんなが大変、その中で小説や音楽、映画、ハードコアは私たちに、時計、とか、かける馬のイメージとか、そういうのをやってみたいと思った。
14分の曲。いくつかの曲を繋いでいる。
最初は、これはシラオカのイメージをやりたいと思ってだいぶ昔にギターを弾いたものだ。ギターの組み合わせによる響きを楽しむ感じがシラオカだ。朴訥とした感じ、時計をサンプリングしたらトラックの音、これは下目黒の家で録った音だ。最近買ったフレットレスのベースも。
次は、アコギ、ディレイとアコギは一生楽しい。ガットギターはいい。
次は、タイトなブルータルなリズム。ベースブリブリ、なんでしょうねこれは。ぽんぽんなっているのはなんでしょうね。どうしようもない歩み、酔っていないけど、帰り道の周りにいる人間が本当に嫌になる、歩幅を競い合ったり、歩調を乱さない、頭が上下せず並行に歩くやつとか。
次は、KLFです。トルコに仕事で行った時にテープ屋のおじさんにおすすめしてもらったトルコ歌謡曲の代表みたいな人らしい。砂っぽい路地、大体が黄土色の坂道に突然あったテープ屋、4畳くらいでおじさんの背面にたくさんテープがあった。
次は、指ピアノ、なんていうんだっけ楽器、カリンバですね。ループかけられてタイムもいじれるカリンバ、これもどこかの国のおじさんが作っている。
次は、ぶりぶりとしたGAUGE AWAYとタイトルが付けられていた。
次は、ダウンサンプルしたギターがなんか好きなんですよね。ざらっとしている、これもギターの絡みとベース。チューニングがよくわからず弾き直せなかったので、昔弾いたままのベース。あとドラムの音は短くむっちりしているとかっこいい。あ、あ、あ、あ、という声も入っている。ループで長い、展開が作れない、どうやったらちゃんと曲が作れるのかわからないがいい。
次は、スティールドラム、これAmazonで買った。叩きまくっている、死んだ父親の写真の前に置いてたまに父親の鎮魂ソングを演奏している。それにリバーブをかけて、デジタル馬の走りのサンプル、公開されていたサンプルが入っていたので。どこかに走っていく魂。
次は、Ever Ending Kicksへのオマージュ。マジで好き。仲良しになれる。スーホの白い馬のような何か。とっても良い、どしどしと踏まれるバスドラと雑オープンハイハットの雑叩き、こういうドラムがとっても好き。永遠に続くような音楽が好き。最後の方は遠くへやっぱり行きたい。
どこか遠くへ行きたいよねどうせなら。現実はかなり近いし。
太田さんのZINEはプランクストアで買えます。